僕は大概、作業中はほとんど誰とも会話をしない。
1人部屋にこもり、黙々と作業を続け、
頭の中はと言うと、過去や未来を行ったり来たり、
果ては太古の歴史まで遡る(大袈裟!)、そんな気分だ。
そんな時間は、我を忘れるほど楽しく、
そして少しだけ辛い、僕の日常である。
端から見ると、何やってんだかという地味な作業だが、
興奮と驚きの連続だ!などという瞬間もある。 そんな瞬間について書いてみよう。 ものを作る過程で悩むこと、
そんなことは全くない!と言いたいが
実際に、頭を掻きむしる事はよくある。
頭の中にあるものを目の当たりに出来ず、
目の前にあるのに、掴めないようなもどかしさだ。 そんなものが次の瞬間スルリと抜け落ちて、
手が勝手に動くような、何か大きなものに
動かされているような、不思議な感覚に陥る。
そして次の瞬間、確かに何かを掴んで興奮する。 全くの無から、何かが生まれると思うほど
僕は自分のことを偉大な人間だとは思えないし
事実そんなわけはないのだが、
こんな瞬間があるのは本当だ。 それは何かふとした切っ掛けであったりする。
窓から入る陽射しであったり、
作業部屋で微かに聴こえる音楽であったり。
にじぞうの大きな瞳だったりもするのだ。 にじぞうが現れた! じっと見つめている。
世界を、暗闇を、
モニターの前のあなたを!? 誤解を恐れずに言うなら、にじぞうの目と
僕の目が1つになったような気分がしたのだ。
続く
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