小学生の頃のことだが、
よく空を飛ぶ夢をみていた。
朝だったり夜だったりするのだが
実家の窓からひょいっと飛び出して
大阪の街や緑の山の遥か頭上を、
飛びまわっていた。
顔に当たる冷たい空気、指の隙間や
腕や背中を吹き抜ける強い風が
今思い出しても妙にリアルだ。
それから子供の頃、憧れた世界があった。
空を飛び、超能力が使えて
好きな女の子を助けたり、いろんな理由で、
何かと戦ったりするやつだ。
自分のために、大切な何かを守るために。
そして当然、大人になり、
自分がニュータイプ(注:ガンダムですね)
ではないことを知って軽く落ち込みつつ、
そんな妄想とはおさらばするわけだが、
僕の妄想は、今も違う形で続いている。
いろんな過去の記憶、日常の中の心の変化、
ある時突然世界の美しさに驚いたりする、
そんな感情を、幸せというのなら、
にじぞうは何処にでも存在するはずだ、と。
漫画のように空を飛ぶことは出来ないが、
この映像を通して、ふと空を見上げた時なんかに、
にじぞうを感じて欲しい。
にじぞうは空を飛び、今こうしている間も
僕らの頭上をパトロール中だ。
続く